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旧常滑地区 瀬木字 

御誂マフラータオル(ジャガード織)

ご依頼は突然でした。場所は乙川祭りの元薬師前、自分はかなり酔い酔いの状態・・・〝マフラータオルを作りたい。予算はこれぐらい。祭礼までに間に合いますか?〟北組と長い交流を頂けている瀬木字衆ですから〝なんとか納めます〟と即答してしまった。この後悔はウチに帰ってから酔覚めとともにガガガ〜ンと思い知るのでした。(む〜どうしよ)

ありがたいことに意匠はお任せ頂けたのですが、先に決めるべき予算面と生地、業者選定に難儀を繰り返しました。結果、希望納期ギリギリには納まったのですが・・。意匠が落ち着くまでにもなかなかのドラマがあったのです。

モノづくりの理想的な進め方でした。

ジャガード織とは高級感があるホテルのバスタオルの名入れに使う織り方で、2種の色糸を織り合わせて表現します。

ボリューム感があり汗の吸収力も良く、肌触りもやわらかく、そもそも織物ですから色落ちもありません。

 

 

そもそもプリントではないので表裏があり、糸色が反転します。押しも強くないので普段使いにも長く使えますね。

ご提案は4案。コストと納期、意匠をすべてに用意し、どれに絞られても最短でできる配慮をしました。その結果、当初ご希望のプリントでなくジャガード織に関心を頂き、コスト面で単色を選ばれました。次は業者交渉・・・意匠決定からかかる納期に電話で折り合いをつけてもらいました。いわゆるフォーマットにはあてはまらない意匠なので、業者用データとは別に出来上がりに近いイメージをつくり、それとギャップが起きないように〝間引き〟をして再度お見せしました。瀬木字のご担当は三人・・すべてのご要望に応えながら、アドバイスも進言、自分の意見も受け入れて頂けたことは、今から思えばありがたく、理想的な進め方だったと思いました。ここまでご依頼から4日め・・・

いくら良いデザインでも実際に首に巻いてどう見えるか・・・これを検証するために意匠を原寸大で用意。絵柄の調整を行いました。配慮したのに意味がなかった、ではいけません。世楽車の既存意匠(千成瓢箪と吹抜)が首の後ろにくるようにしたり、左右で水車が繋がるようにしたり・・・ご担当と意見を重ねるたびにどんどん楽しくなり、焦る気持ちがいつの間にか、出来上がりの期待に変わりました。

晴れて祭礼二日前、祭礼本日も日本晴れでした。

当初の思惑とは随分違うものになりましたが、結果はとても喜んで頂けました。とにかくお客さんを安心させたい一心でした。すべてはそこから始まる・・ご担当方々の配慮もあり、とても勉強になる仕事だったことを申し添えておきます。

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