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2014年 とこなめ山車まつり公式ポスター

2014年の秋、常滑市制60周年記念事業として開催。北は大野から南は坂井まで、18輛の山車が市役所西に集結しました。他の山車まつりと比べて大きな特徴は、山車の型式が様々な点。外輪の名古屋型、内輪の半田型、外輪の半田型、そして近年のだんじり等々。今回の入場にはこれらを交互に織り交ぜる、という趣向も凝らすのだとか・・・半田では出来ない事ですね〜。

 

実行委員会からお話を受けたときはすでに地元業者からデザインが数案あがっており、数度の修正も経ていました。ファミレスでそれらを見せられ〝こんなデザインで俺たちの山車まつりをやる訳にはいかない。力を貸してくれ!〟・・・もう時間がなかったのですが、頼まれたら断れない瀬木の御仁にそう頼まれ、かなり慌ててデザインしました。

 

実はこの勢揃いのデザイン・・当初は使わない予定でした。ポスター下にあるシンボルマーク、山車二輛の対峙を実写版で出来ないか?というご要望に応えデザイン、かなりの造り込みまでを終えました。ただひとつ、画像材料の都合で山車の位置が左右逆になってしまった・・・不採用とするにはあまりに惜しいデザインがもう一案あったのです。

 

〝山車の勢揃い〟は私にとっては呪縛の様なもの。山車まつりの絵としてはふさわしいのですが、回を重ねると新鮮味はどうしても薄れる。勢揃いの絵を使わずにデザイン出来ないものか・・・そんな想いをずっと持ちながら、第3回から第6回のはんだ山車まつりをデザインしていました。

 

まずポスターをつくるときは目的を考えます。イメージ重視か事務事項重視か・・・次に対効果。自分のデザインはあまり幾つも画像を使いません。秀逸な画像なら一枚でも充分。このポスターは市内だけでなく、名鉄沿線、さらに遠方のまちに掲示されたとき、いろんな形の山車がいっぱいある事を訴え、行ってみたいと思わせるデザインにしました。

 

オーソドックスだが奇をてらわず的を外さない・・・そんな感じ。当初は使わないはずだった〝山車の勢揃い〟に、改めて向き合って欲しかったのです。実行委員会はその事を充分理解され、このデザインに至りました。

 

さらに重きを置いたのが〝言葉の力〟

ただの広告とせず、観た人の心も打つ言葉を添える事で、山車組の方々にエールを送らせて頂きました。

 

よそものの自分に声を掛けて頂けた事に、感謝申し上げます。

10年前の前日は台風でした。日が迫るごとに19号台風が心配されましたが、当日はよい天気になり・・・

実行委員みなさんの想いが天に届いたのでしょう。

 

 

風がおどる 

雲が流れる 

鼓動が昂る 

 

あなたもそれを感じる

 

嬉しくなる

 

静かに法被に袖を通す 

まつりは“ハレの日” 

十年振りの事だから

 

嬉しくなる

 

囃子が響く 

からくりが舞う 

北から南から

町の誇りが 

一輌 また一輌と

 

頬を赤らめ 

町も熱を帯びる

常滑にまた 

あの秋がやって来る

 

〜ポスター上段コピーライトより〜

 

 

 

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